ジャバウォック
Jabberwock
illust. 仲井さとし
彼が森のそばの小道で物思いに沈んでいた時、鬱蒼とした木立の奥からその音は聞こえてきた。
風。いや違う。怒りをはらんだ声と足音。
次の瞬間、森から黒々とした怪物が躍り出る。彼はその姿におののき震えながら、同時に感動を覚えていた。
炎の瞳のジャバウォック――御伽話だとばかり思っていた。
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