乙姫
Otohime
浦島は乙姫に向つて、さやうなら、と言つた。
この突然の暇乞ひもまた、無言の微笑でもつて許された。
つまり、何でも許された。始めから終りまで、許された。
――太宰治『お伽草紙』
一覧へ