エコー
Echo
illust. komoike
彼への怒りも記憶もまだ薄れてはいなかったけれど、それでもエコーは、この少年の悲運を悲しんだ。
彼が「ああ」と嘆くたび、彼女も「ああ」と声を返してむせび泣いた。
彼が自分の腕を叩くたび、彼女も同じ悲痛な音を返した。
――Ovid "Metamorphoses"
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