プコロエール
Pcoro-Eeer
illust. いぬひろ
もはや助かりようのない哀れな犠牲者の胴体が、血の染み込んだ砂の上で身悶えする。
その目は死を懇願していた。だが、蟹は急がなかった。
切断した片足を拾い上げると、高く掲げ、したたり落ちる血にしばし見入る。
そして、肉眼では捉えきれないほどの速度でそれを空に投げ上げた。
――G.N.Smith "Night of the Crabs"
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