モスマン
Mothman
illust. 仲井さとし
飼い犬がしきりに吠えるのを聞いて、男は家の外に出た。
彼の犬は経験を積んだ狩猟犬だったが、この夜ばかりはどんなに彼がなだめても言うことを聞きはしなかった。
彼は夜道の彼方に目をこらしてみたが、小さな赤い光がほんの一瞬だけ見えたような気がしただけだった。
翌朝、彼の犬は首輪だけを残して姿を消していた。
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